局面 9



白先手では タイプ1 → タイプ2 にする 1.Qc7 が最善手でこれは 局面20 で扱います。

黒先手では 1...Rc6 が最善で、1...Rd7 よりも5手、1...Rd8 よりも8手 長引かせることができます( 1...Rc6 のみ見ていきます )。

それ以外の手はすぐに白が勝てますのでご確認ください。



1...Rc6


局面8 と同じような対応になりますが、黒が最善の受けを行うと 局面8 より3手長くなります。白は1手のミスが大きく手数を長引かせることもあるため油断できません。

2.Qg6+ Kd7 3.Qf7+ 下図




最善手は 3...Kd6 で 4.Kd4 とすると 局面8 になります。

3...Kd8 と 3...Kc8 を順に見ていきます。

※ 記事が長くなりますので分割します。また変化が多く混乱しやすいですので
各局面ごとに考えていただければと思います。



3...Kd8


慣れてきた方は 4.Kd5 か 4.Ke5 とするでしょう。最善手 4.Kd5 を見ていきます。



4.Kd5


白 K を黒 K に近づけつつ R の動きを強いることでテンポを得ます。

4...Rb6 最善手
4...Rc7
4...Ra6
4...Rc1

の4つをそれぞれ見ていきます。


黒4手目変化 その1 

4.Kd5 Rb6


これはまさに 3rd rank defence です。別項目で third-rank defence 関連を扱ってますが、タイプ1 と タイプ2 を学ぶことは多くの局面を学ぶことになるのが分かります。

Rb6 の位置は黒 K から2手以内の場所かつ白 K を 3rd rank( 黒から見て )で遮断してます。

5.Qf4 の最善手より2手長引きますが 5.Kc5 を見ていきます。



5.Kc5 


R の動きを強いる分かりやすい手ですが、5.Kc5 を指す前に他の手を考えてみることと、5.Kc5 の後 R はどこへ動き その後手順が長引くことはないかぐらいは考えておきましょう。

5...Ra6 以外はすぐ白が勝てますのでご確認ください( 確認大事です! )。



5...Ra6


ミスしやすく迷う局面です。

6.Kb5 で R の動きを強いり白 K を端列に近づけダブルアタックをかけやすくすることが考えられますが、6...Rd6 で困ります。これは避けたい手です。

最善手は気づきにくい 6.Kd5 の waiting move と 6.Qd5+ です。端列の K に対して4列目からチェックする 6.Qd5+ を見ていきます。



6.Qd5+


端列の K に対して4列目から Q でチェックすることは 2nd rank defence や 3rd rank defence において1つのパターンです( Q の位置を良くする )。

黒 K をどこへ動かすのが最も良いでしょうか? これを考えるのも自分が R 側のときの防御法につながります。

6...Ke7? 7.Qb7+ でダブルアタックは絶対避けねばなりません。



6.Qd5+


6...Ke8 も良くありません。R が白 K と別色のマスにあるためダブルアタックがかかりやすく、黒 K が R から遠ざかるのはこの場合悪いです。
6...Ke8 7.Qe4+ Kf8 8.Qf3+ Kg8 9.Qb3+ でダブルアタック目前

黒 K が R に近づき端列から離れる 6...Kc7 が最善手です。その前に 6...Kc8 を見てみましょう。



6.Qd5+ Kc8


最善手は 7.Kb5 7.Qd3 7.Qc4 の3つですが、基本的な 7.Kb5 を考えます。



7.Kb5


R の動きを強いり、白 K が端列に近づくためダブルアタックがかかりやすくなります。7...Ra7 以外はすぐダブルアタックがかかりますのでご確認ください。



7...Ra7


非常にミスをしやすいので覚えておきたい局面です。

7.Qd6 で4つの駒をナイトの利き位置にするのは悪くなさそうですが・・・
7...Rb7+! でドローパターンになってしまいます。

また 7.Kb6 も良さそうですが 7...Re7! という 2nd rank defence の防御法があります! 
R 側は覚えておきたい防御手です。

最善手は 8.Qg8+ 8.Qe5 の2つ。8.Qg8+ を見ていきます。



8.Qg8+


スキューアがかかるため黒 K は R から遠ざかれないことを考えると 連続チェックで Q を右方向から黒 K に近づけていけるのが分かります。

8...Kb7 なら 9.Qd8 で 局面1 になります。



8...Kc7


9.Qe8 の waiting move が最善手ですが

9.Qf7+ Kb8 10.Qe8+ Kc7 11.Qe7+ Kb8 12.Qd8+ Kb7 で 局面1 になるためこの方法がオススメです。13.Qd4 とするのを覚えてますか^^



黒6手目変化

6.Qd5+ Kc7


7.Kb5? とすると 7...Rb6+ とされます( 7...Rd6 がさらに良い )。

7.Qf7+? が良さそうですが 7...Kd8 で2手前の局面に戻ってしまいます!

分かりづらいですが 7.Qe4! の waiting move が最善手でこの手を指す必要があります。7...Ra5+ とされても 8.Kb4 で R の動きを強いて問題ありません。



7.Qe4!


Qd3+ でダブルアタックがかかるため黒 K は d ファイルにはいけません。

7...Kc8 8.Qe7( 局面8 で扱いましたので省略 )

7...Kb8 8.Kb5 Ra2 9.Qe8+( 9.Kb6? Rb2+ )
9...Kc7 10.Qf7+ でダブルアタック、など



7.Qe4!


7...Ra1 8.Qe5+ でダブルアタック
7...Ra2 8.Qe5+ で次にダブルアタック
7...Ra7 8.Qe7+ Kb8 9.Qd8+ Kb7 10.Kb5 で 局面1 になります。



7.Qe4! Ra3


7...Ra5+ が最善手ですが、R が白 K の斜めの位置になっている 7...Ra3 の方が白は手こずるでしょう。

8.Kb4 としたくなりますが 8...Ra6 で最善手より5手も長引いてしまいます。
先に 8.Qe7+ で黒 K を端列に追いやるのが最善手です。



8.Qe7+ Kc8


白は次の手を考える前に R からチェックされることを確認しておきましょう。Q が a3 を支配しているので Kb6 → Ka7 などとできそうです。しかしこの場合は 9.Kb6 とするより 9.Kb4 とする方がより良いです( 最善手は 9.Qe6+ )。



9.Kb4


R の動きを強いる。

このような局面で 9...Ra8 とするのは明らかに悪いです。

9...Ra6 も 10.Kb5 とされるので良いとは言えません。
9...Ra6 10.Kb5 Ra1 11.Qf8+ で次にダブルアタック

9...Rf3 10.Qc5+ Kb8 11.Qb6+ で次にダブルアタック
9...Rg3 10.Qe6+ Kb7 11.Qd7+ Ka8 12.Qc8+ で次にダブルアタック

9...Rd3 が最善手になります。



9...Rd3


この局面もミスしやすいのでこのようなパターンに気をつけましょう。

10.Qe6+? は悪くない感じがしますが 10...Rd7 で5手長引きます! 白 K が離れた位置にあるため R がピンされても黒は問題ありません。

10.Kc4? も 10...Rd1 で7手長引くことになります。

最善手は 10.Qc5+



10.Qc5+ 


Kb8, Kb7, Kd7 はすぐダブルアタックがかかりるため 10...Kd8



10...Kd8


この局面も判断が難しく、こういう所が K Q vs K R を難しくしていると言えます。

11.Qg5+ は悪くありませんが、11.Qf5? は 11...Re3, 11...Rd1, 11...Rd7 で7手長引きます。

11.Kb5? も 11...Rd7 で6手長引きます。

最善手の 11.Qf8+ を見ていきます( 11.Qa5+ も最善手 )。



11.Qf8+


11...Kd7? では 12.Qf5+ でダブルアタックがかかるため、11...Kc7 を強いります。



11...Kc7


判断に迷う局面が続きますね。

12.Kc4? は 12...Rd6, 12...Rd1 で9手! 長引きます。

最善手 12.Qf4+ 以外は長引いてしまうところが難しいです。


12.Qf4+


10...Kb6 11.Qb8+! から次に 12.Qb5+ でダブルアタック



10...Kd8


11.Qh4+! で次にダブルアタックがかかります。気づきにくいですが気づきたい手です。


局面9 は変化が多いだけでなく、判断が難しい局面も多いですね。
局面9 の2 へ続きます。

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