局面 7 と似ていますが駒がボード中央に向かうほど Q 側が勝利するまでの手順が長引きます。
R の動ける範囲が多くなりますし、黒 K を角の方へ追いやるのに手数がかかります。
白先手では 1.Qb7 で タイプ1 → タイプ2 にするのが最善手の1つで( もう1つは 1.Qe8 )
これは 局面19 で扱います。
黒先手では R を動かす必要があります。
黒先手
1...Rb6 が最善手で、R 側は覚えたいディフェンスです。
1...Rc7 と 1...Rc8 も有効なディフェンスですが、局面 7 においてそのような局面の
対処法を記載したのでここでは省略させていただきます( 記事が長くなり過ぎるため )。
それ以外の手では白がすぐに勝てますのでご確認ください。
1...Rb6
最善手は 2.Qf6+ で分かりやすいですね。
2.Qf6+ Kc7 3.Qe7+ 下図
3...Kc6 4.Kc5 は 局面 7 になります。
3...Kc8 と 3...Kb8 をそれぞれ見ていきましょう。
3...Kc8
どのような手が思い浮かぶかで K Q vs K R の対応力が分かります。
4.Qc5+ ダブルアタックですがあまり有効とは言えません。
4.Kc5 白 K を黒 K に近づける手かつ R の動きを強いります。最善手の1つ。
4.Kd5 4つの駒がナイトの利き位置になるのも最善手の1つ。4...Rb5+? とされても
5.Kc6 とできます。
4.Qe8+ Q が c6 を支配しているため 5.Kc5 とできるためこの手も良いです。
基本的な 4.Kc5 を見ていきましょう。
4.Kc5
R をどこへ動かしたらいいでしょうか?
third-rank defence 関連のところで再度扱いますが、R が白 K を 3rd rank( 黒から見て )
で遮断している場合、この遮断を保つことが防御法の1つです。
最善手としては 4...Rb7 なのですが、4...Ra6 の方が Q 側としては厄介な気がします。
4...Rh6? は 5.Qf8+ ですぐダブルアタックがかかるので気をつけましょう。
4...Rb7 5.Qe8+ Kc7 6.Qa8 ( タイプ2 ) これは 局面12 で扱います。
4...Ra6
この局面を自分が Q 側で R 側を強いコンピューターで対戦すると意外に手こずるはずです。
白 K は 黒 K と同ファイルにあるため動かす必要はないように思えますが 5.Kb5 で
R の動きを強いることは白にとって都合が良くなり、実際最善手です。
対処法を知らなければ大抵 Q でチェックすることを考えるため手順が伸びることにつながります。
5.Kb5 は ...Ra5+ とされることを防ぎ、白キングがボードの端に近づくためダブルアタックがかかりやすくなります。
5.Kb5
3rd rank( 黒から見て )上で R が安全に移動できる場所はありません。
5...Ra8 6.Kb6 Rb8+ 7.Kc6 勝利目前
5...Ra1 6.Qf8+ で次にダブルアタック
黒3手目変化
3.Qe7+ Kb8
4.Qd8+ も悪くありませんが、4.Kc5 で白 K を黒 K に近づけるのが基本かつ最善手です
R の動きも強いてます。
4.Kc5
4...Rb7 は 5.Qd8+ Ka7 6.Kc6 ですぐ Philidor's Position になるため R 側のディフェンス
としては良くありません。
R を 3rd rank に保ち白 K を遮断しておく 4...Ra6 が最善手となります。
4...Ra6
前述の局面に似ていますが Q が d7 ではなく e7 にあることに注目してください。
Q が e7 にあることにより黒 K の行動範囲が若干広くなってます。
よって 5.Kb5 も悪くありませんが、この場合 5.Qd7 で4つの駒をナイトの利き位置関係に
するのが最善手でパターンです。黒 K の行動範囲を狭める waiting move とも言えます。
5.Qd7
3rd rank defence の学習で初めに覚えたいような局面です。
黒 K を動かすのは 5...Ka8 のみ
5...Rh6 6.Qe8+ Kb7 7.Qf7+ Ka6 8.Qf8 ( 8.Qe8? Kb7 )
8...Rh5+ Kc6 で勝利目前
最善手の 5...Ra7 は 6.Qd8+ Kb7 7.Kb5 で 局面1 になります。
5.Qd7 Ka8
侮れない局面です!
6.Qc8+ は良くありません。
6.Qc8+ Ka7 ここで 7.Kb5 としてしまうと 7...Rb6+ で手順が長引き、一見良さそうな
8.Ka5 とすると 8...Rb5+! のステイルメイト狙いの手でさらに長引きます。
基本に忠実な 6.Kb5 が最善手です。
6.Kb5
6...Rh6 7.Ke8+ Kb7 8.Qf7+ で次にダブルアタック
6...Ra1 7.Qd5+ で次にダブルアタック
6...Ra3 7.Qd5+ で次にダブルアタック ( 7.Qc8+ がベスト )
黒5手目変化 その1
5.Qd7 Ra1
ダブルアタックがかかりやすそうです。
6.Qe8+ Kb7 7.Qf7+ Kc8 8.Qg8+ で次にダブルアタック
黒5手目変化 その2
5.Qd7 Ra2
6.Qe8+ で次にダブルアタック
黒5手目変化 その3
5.Qd7 Ra3
白 K の斜め位置に R を動かすのは有効な防御策です。
最善手は 6.Qe6 の waiting move です。最善手より3手長くなりますが理解しやすい
6.Kb4 を見ていきます。
6.Kb4
白 K が黒 K から離れてしまうマイナス面はありますが、白 K がボードの端に近づくため
ダブルアタックがかかりやすくなります。
6...Ra7 7.Qd8+ Kb7 8.Kb5 局面1 になります。
6...Ra6 となっても 7.Kb5 で白 K を黒 K に近づけつつ R の動きを強いることができます。
6...Ra6 7.Kb5
7.Ra7 以外はすぐダブルアタックがかかりますのでご確認ください。
7.Ra7 Qd8+ で 局面1 になります( 7...Qd4 が最善 )。
黒4手目変化
4.Kc5 Rb1
5.Qe4 の waiting move が最善ですが 5...Ka7 を強いる 5.Qe5+ を見ていきます。
5.Qe5+ Ka7
ダブルアタックを避けるため黒 K は a7 に行くしかありません。
よく見ると黒 K が端列にあり R は2列目にあるため 2nd rank defence の状態です。
白 K が黒 K に近く、Q が a1 を支配しているため白としては悪くない局面です。
少し気づきにくいですがディスカバードアタックの狙いがある 6.Qe3 を見ていきます
( もう1つの最善手は 6.Qd5 )。6.Qd4 もディスカバードアタックを狙えますが
c1 を支配し R のチェックを防ぐ 6.Qe3 の方が優れてます。
6.Kc6 Rc1+ 7.Kb5 Rb1+ 8.Ka5 は分かりやすいですが最善手より3手長引きます。
ダブルアタックを狙う 6.Qg7+ は 6...Rb7 で最善手より3手長引きます。
6.Qe3
1つの記事として扱いたいぐらいの局面です。変化がそこそこあります。
この記事が長くなりますが下記変化を見ていきます。
6...Kb8
6...Rb6 ( 最善手 )
6...Rb7
6...Rb8
その他
R 側としてはディスカバードアタックを考えて対応する必要があります。
黒6手目変化 その1
6.Qe3
6...Ra1 7.Kc6+ Ka8 8.Qe8+ Ka7 9.Qd7+ で勝利目前
( 7...Kb8 8.Qb6+ で次手メイト )
6...Rf1 と 6...Rh1 も上記と同じ対応になります。
黒6手目変化 その2
6.Qe3 Kb8 7.Kc6
7...Ka8 8.Qe8+( 8.Qd3 が最善 )
8...Ka7 9.Qf7+ Kb8 10.Qg8+ で次にダブルアタック
R が横に動いた場合は 8.Qb6+ で勝利目前
7...Rb7 8.Qe8+ Ka7 9.Qd8 Philidor's Position
黒6手目変化 その3
6.Qe3 Rb6
劣勢だとしても R 側の防御策としてはこのように4つの駒が1直線に並ぶ形にするのが
最善なので覚えておきましょう。
次の白最善手は今までの記事をご覧になった方なら何度か出てきた局面なので分かるでしょう。7.Qd4 でディスカバードアタックのねらいを残します。
これは Tactics 項目の ディスカバード アタック と同様の局面ですのでそちらをご確認ください。
黒6手目変化 その4
6.Qe3 Rb7
7.Kc6+ は分かりやすい手ですね。
7...Ka8 8.Qa3+ Kb8 9.Qa5 Philidor's Position
7...Kb8 8.Qe8+ Ka7 9.Qd8 Philidor's Position
黒6手目変化 その5
6.Qe3 Rb8
7.Kc6+ で勝利目前です。
コメント
コメントを投稿