局面9 の7


黒6手目変化その5 6.Qe4 Kd8 


R が 白 K の斜めにあり厄介な感じがしますが、Q の位置が良いため次手で変な手を指さなければ問題ありません ( そこが難しくもあるのですが )。

まず気づいておきたいことは、Q の利きが c2 にあることです。このことから 7.Kc5 や 7.Kc6 が候補にあがります。7.Kc6 Ra6+ 8.Kb7 または 8.Kb5 となるよりは、7.Kc5 Ra5+ 8.Kb6 の方が良さそうなので、7.Kc6 より 7.Kc5 とするのは難しくないでしょう。

他に考えられる手としては
7.Qc4 → a6 を支配
7.Qb4 →  a5 と d2 を支配

など。実際には 7.Qc4 では 7...Ra7 で最善手より4手長引きます。最善手は 7.Kc5、7.Qb4、7.Qh4+ の3つですが、白 K か R のどちらかが動かない限りダブルアタックは
かかりずらいので、このような局面で 7.Qh4+ とするのはオススメできません。

最善手の1つ 7.Kc5 を見ていきます。



7.Kc5


ダブルアタックがかかる状況になりました。黒としては K と R どちらを動かすべきでしょうか?

少し考えれば 黒 K を動かすとすぐダブルアタックにつながるので、R を動かす必要があることが分かります。7.Kc7 Qd7+ 8.Kb8 Qf8+ など。

R をどこへ動かせば良いか? 防御側として重要なことです。
7...Ra3、7...Ra5+、7...Ra6、7...Ra7
などが考えられます。

最善手は 7...Ra7 ですが 7...Ra3 の方が白にとっては厄介な感じがします。
それぞれ見ていきましょう。

黒7手目変化その1 7...Ra3
黒7手目変化その2 7...Ra5+
黒7手目変化その3 7...Ra6
黒7手目変化その4 7...Ra7 ( 最善手 )
黒7手目変化その5 7...Rd2


黒7手目変化その1 7...Ra3 


似たような局面を 局面9の4 で扱いました。その時は 黒 K が c8 にあったため
Qc4 としてディスカバードアタックをねらったのでした。

今回はどうしたら良いでしょうか? すぐに思いつく 8.Qb4 は最善手の1つですが
もう1つの最善手 8.Kb6 がためになるのでこちらを見ていきます。

その前に 8.Qd5+ とするのはどうでしょう? 黒 K が e ファイルの方へ行くと長引く感じがしますが、黒 K と R が離れるため、8...Ke8 9.Kb6 白 K が端列に近づくことでダブルアタックがかかりやすくなります。白としては 8.Qd5+ Kc7 となると厄介になります。



8.Kb6


実際のゲームであれば 8.Qb4 としそうですが、8.Kb6 の方が早く勝敗がつきそうです。
何故なら・・・



8...Rb3+ 9.Kc6! Rc3+ 10.Kd6


R のチェックが途切れツークツヴァンクになります。

10...Ra3 11.Qe7+ Kc8 12.Qc7#
10...Rc1 11.Qa8+ Rc8 12.Qa7 勝利目前 など


黒7手目変化その2 7...Ra5+


これは難しくありません。8.Kb6 が自然で最善手です。時間を気にしなくていいならルークが動いた場合を全部確認してから 8.Kb6 とした方がいいです。



8.Kb6


8...Rh5 以外はすぐ R を失いますのでご確認ください。



8...Rh5


落ち着いて考えれば勝利まであと少しです。最善手は 9.Qd3+、黒 K は e ファイルに行くと 10.Qe2+ でダブルアタックがかかるため、9...Kc8



9...Kc8


10.Qc2+ で勝利目前。

最善手は 10.Qd6 ですが 10...Rh7 とされると白は次に何を指すべきか迷うのではないでしょうか?

10.Qd6 Rh7 11.Kc6! で勝利目前

10.Qc2+ が無難です。


黒7手目変化その3 7...Ra6


3rd rank Defenece・・・と思いきや 8.Qd3+ で決着がつきます。


黒7手目変化その4 7...Ra7


2nd rank defence。Q の位置が良いので難しくはないでしょう。

8.Qh4+ が最善手



8.Qh4+


Qh7+ でスキューアがかかることを考えると 黒 K の移動先は限定されます黒としては 8...Kc8 が最善手



8...Kc8


ここからどのようにすべきかはもうお分かりでしょう!? 最善手は 9.Qg4+ と 9.h3+
ですが、9.Qh8+ から Q を 黒 K に近づけていくのが無難です。



9.Qh8+ Kb7


9...Kb7 は 9...Kc7 より3手長引かせることができます。上図から白は次に何を指すべきでしょうか?

最善手は 10.Kb5、10.Qh7+、10.Qg7+ の3つ

クイーンでチェックすることを考えたくなりますが、ここは 10.Kb5 とする手に気づきたいです。



10.Kb5


10...Kc7 11.Qg7+ Kb8 12.Qf8+ Kc7 13.Qe7+ Kb8 14.Qd8+ Kb7 で 局面1 になります。

10...Ra8 を見ていきます。



10...Ra8


難しくありませんが油断は禁物です。最善手は 11.Qh1+ ですが下記の手順が無難です。

11.Qg7+ Kc8 12.Qf8+ Kb7 13.Qe7+ Kc8 下図




14.Kb6 が考えられますがステイルメイトにならないか十分注意しましょう。

14.Kb6 Rb8+ 15.Kc6 で勝利目前


黒7手目変化その5 7...Rd2


ダブルアタックがかかりそうでかからない局面、Q が c2 を支配しているため 8.Kc6 が
自然で最善手です。



8.Kc6


8...Kc8 9.Qe8+ Rd8 10.Qe7 勝利目前

ルークを左右に動かすとすぐルークを失うことになります。

黒としては 8...Rd7 か 8...Rd1 のどちらかを指すべきですが、白勝利まであと少しです。


黒8手目変化その1 8...Rd7


これは簡単でしょう。9.Qf5 で Qxd7 と Qf8# 2つの狙い。
9.Qf5 Rc7+ 10.Kd6 で勝利目前。

9.Qh4+ も悪くないですが 9.Qf5 を指せるようになりましょう。

もう大丈夫だと思いますが、9.Qe6? は絶対指さないようにしましょう。9...Qc7+ で21手も長引きます。


黒8手目変化その2 8...Rd1


典型的なパターンです。ツークツヴァンク のところに出てきた局面と似ています。

1つ気をつけたいのは、9.Qf4 は悪くないですが、9...Ke8 や 9...Ke7 とされると少し手こずります。

9.Qf3 で R の動きを強いり、同時にメイト狙いが最善手です ( 私は 9.Qf4 を考えてました )。
9.Qf3 Rc1+ 10.Kd6 で勝利目前

ダブルアタックにつながる 9.Qh4+ も最善手です。


黒6手目変化その5 6.Qe4 Kd7


R が白 K の斜めにあり、黒 K が2列目にあるため対応を間違えると厄介な局面です。

白 K と R の位置がそのままだとダブルアタックはまずかからないので Q でチェックしていくことはまず避けるべきです。

R の動きを強いる 7.Qc4 は最善手より2手長引き、a5 と d2 を支配する 7.Qb4 は最善手より4手長引きます。

Q がセンターの好位置にあることを生かし、7.Kc5 でダブルアタックをかけやすくする手が最善手です。



7.Kc5


黒 K を動かすとすぐダブルアタックがかかるので、R を動かす必要があります。

黒7手目変化A 7...Rd2
黒7手目変化B 7...Ra3
黒7手目変化C 7...Ra5+

をそれぞれ見ていきましょう。


黒7手目変化A 7...Rd2


ダブルアタックがかかりそうですがすぐにはかかりません。

最善手 8.Qf5+ を見ていきます ( 8.Qg4+ も最善手 )。

8.Qh7+ も悪くないですが、8.Qf5+ の方が 黒 K の行動範囲をせばめられ、Q の位置も良いです。



8.Qf5+ Ke8


ダブルアタックを避けるには 8...Ke8 になります。

Q が c2 を支配しているので 9.Kc6 が可能です。



9.Kc6


黒はダブルアタックを避けるためルークを動かす必要があります。

しかしルークを動かすのも 9...Rd8 以外はすぐダブルアタックがかかります。



9...Rd8


Q でチェックしたくなりますが、ステイルメイトに十分注意しながら 10.Kc7 を指したいところです。10.Qg5 の waiting move も最善手です。



10.Kc7


Q が 黒 K の動きを制限しており、c8 と d7 を支配しているので効果的です。白 K が R を攻撃しつつ端列に近づくためこの後はすぐダブルアタックがかかります。ご確認ください。


黒7手目変化B 7...Ra3


この記事の始めの方に似た局面がありましたが、それは 黒 Kd8 でした。Q の位置が良いため 8.Kb5 で問題ないような気がしますが・・・

8.Kb5?! Rb3+! 9.Ka5 Rb8 で最善手より5手長引きます。8.Kb5 は指しやすい手なので
ミスしやすい局面です。

最善手は 8.Kb4 。白 K が 黒 K から遠ざかるので嫌な感じですが、R の移動先をそれぞれ見てみるとすぐダブルアタックにつながるのが分かります。

4手長引きますが、8.Qd5+ としてから 白 K を b5 などに動かすのも悪くないでしょう。 


黒7手目変化C 7...Ra5+


ほとんどの人がミスするのではないでしょうか?

8.Kb6? としてしまうと 8...Rg5! で13手も長引きます!!!
恐るべき局面です。

正解は 8.Kb4! の方です。ちなみに 8.Kd4?? と 8.Kc4?? は 8...Ra4+ でドローになります。



8.Kb4! Rg5


この局面から白の最善手は1つだけで、それ以外は10手以上長引くことになります!



9.Kc4


この手を指せるかどうか^^;

白 K は 5th ランクのルークに遮断された状態ですがここまでくればあと少しです。

9...Ra5 10.Qb7+ Ke8 11.Qc8+ で次にダブルアタック
9...Rg3 10.Qd5+ ダブルアタック間近


局面9の8 へ続く

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