局面11



opposition タイプ1 で Q 側が先手の場合、タイプ1 → タイプ2 にするのが大抵最善手になるのですが、上局面のように 白 K が端列にあると 1.Qb4 とすると最善手より
12手も長引きます。上局面のような状況は稀な K Q vs. K R の中でも滅多に起こらないと思いますが、参考までに見ていきましょう。

この局面では 1.Qd6+ とするのが最善手で、 1.Qf5+ では 8手、 1.Qf3+ では 10手長引きます。


1.Qd6+


1...Ke3?? では 2.Qd2+ でダブルアタックとなるため、 1...Kc4 か 1...Ke4 です。
後で 1...Kc4 と同様の局面が出てくるため、 1...Ke4 を見ていきます。


1...Ke4

 
4つの駒の位置関係が 例題1 と似ていますが、駒が中央にあるため 例題1 よりもっと手数がかかります。

黒 K がセンターにあり、 R が 6th ランク ( 黒視点 ) で 白 K を遮断しているため
白としては意外に厄介ですが、まず 2.Kd2 とするのは自然です。


2.Kd2


2...Rf3 以外はすぐダブルアタックがかかります。


2...Rf3 3.Qe6+


3...Kd4?? では 4.Qg4+ でダブルアタックになるので 3...Kf4 を強いります。


3...Kf4 4.Ke2


これは 1.Qd6+ Kc4 2.Kd2 と同様の局面です。
 
4...Kg3?? とすると 5.Qg6+ Kf4 6.Qf6+ などで R を失うことになるので、 R を動かすしかなく、 4...Rg3 とするしかありません ( 他はすぐ R を失う )。


4...Rg3 5.Qf6+ Kg4 6.Kf2


先ほどと同じパターンで 黒 K を端列へ追いやっていきます。
6...Kh5 に 7.Kxg3?? はステイルメイトになるので気をつけましょう ( 7.Rh8+ で OK )。
6...Ra3 7.Rd4+ で次にダブルアタック


6...Rh3


気をつけたい局面です。先程のパターンのように 7.Qg6+ とすると 7...Kf4 に今度は
ダブルアタックがかからず 2手長引きます。ここは 7.Qe6+ で 7...Kh4 を強いります。


7.Qe6+ Kh4


あともう少しのところですが非常にミスしやすい局面です!
8.Kg2? とすると最善手より 8手長引き、 8...Rg3+ に 9.Kh2? とするとさらに
7手長引きます!! ( 9.Kf2 で戻した方が良い )。


8.Qg6!


最善手は他にもありますが、 8.Qg6! の waiting move が分かりやすいです。
黒 K を制限し R の動きを強いります。
8...Rh1 には 9.Qh6+ でスキューア
8...Rh2+ 9.Kf3 は勝利目前
8...Rb3 9.Qe4+ で次にダブルアタック


8...Ra3


9.Qf6+ 以降 ダブルアタックを狙えますがすぐにはかからないため、 9.Qd6 の最善手が無難でしょう。


9.Qd6


9...Ra2+ は 10.Kf3 で勝利目前
9...Ra4 10.Qd8+ で次にダブルアタック
9...Rh3 に今度は 10.Kg2 とするのが悪くなく勝利目前



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