例題 1




この局面( 白先手 )から

黒 K が角マスに近く 2nd rank にある
白 K が 黒 K に近い( 良い状況 )
黒 K と R が同列上にある

ということが分かります。

状況から考えていくと

白 K は 黒 K に近いので動かさなくていい
今の状態では R からチェックされることはないが、Q が動けば Rc2+ とされる可能性が
ある( これを確認しておくことが大事 )
また、慣れてくると黒 K と R が同列上にある場合はツークツヴァンクにするパターンが
多いこと、R の斜め位置のマスを見るとダブルアタックがかかりそうなことが分かってきます。




候補手 比較 ・ 選択

白 K は動かす必要はないため Q を動かすことを考えます。

候補手は
1.Qe4+ センター付近からチェックすることは良い場合が多く、Qe4 の利きが c2 に及んでいるため Rc2+ を避けられることは都合がいいです
1.Qc6+ 可能ですが2手目に白 K を動かしづらいです
1.Qd7+ 可能ですが2手目に白 K を動かすと R からチェックされます 
1.Qa3 や 1.Qa1 で R を攻撃するのは 1...Rc2+ とされ 2.Kb5 で次にチェックされることはないですが、黒 K が端列ではないため、このような状況は良くありません。

チェスソフトの分析を見たあとの、あとづけになりますが考え方としてはそうなります。

1.Qc6+ や 1.Qd7+ は指してしまいそうな手ですが、K Q vs K R は局面や変化が
多過ぎるため、自分で少し考えた後、早めに解答を見た方が対応力を高めやすいです。
1つの問題に時間をかけ過ぎず、多くの問題にあたることが大事です。




1.Qe4+ が最善手となります

R からチェックされるマスを Q で防いでいることは重要なパターンです!

1...Ka6 2.Qa8#
1...Kc7 または 1...Kb8 2.Qe5+ でダブルアタック

1...Ka7 2.Kc6 この白 K を黒 K に近づける手が重要です
2...Kb8 3.Qe5+ でダブルアタック
2...Ka8 3.Kc7+ Ka7 4.Qa4#
2...Ka6 3.Qa4#
2...Rb7( 最善手 )3.Qa4+ Kb8 4.Qa5 で Philidor's Position になります。




1.Qe4+

1...Kc8 2.Kc6( 3.Qe8 のメイト狙い )
2...Kb8 3.Qe5+ でダブルアタック
2...Kd8 3.Qd4+ でダブルアタック
2...Rd2( Q の利きがあるので Rc2+ できない ) 3.Qe8+ Rd8 4.Qe7 Rd6+ 5.Kxd6
( 4.Qe6+ の方が1手早くメイトできます )

これだけ多くの手を全て読む必要はありません。実際のゲームでそんなに考えていたら
持ち時間がなくなるでしょう。大事なのは基本的な対処法を知り適切な手を指せること
数多くの局面から学び対応力を高めることだと思います。


要点
R のチェックを Q で防ぐ
適切な時に Q 側 K を R 側 K に近づける

この2つはほとんどの局面で考えます。


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