局面9 の3


局面9 では勉強のため特別に多くの変化を見ていきます。
局面10 以降は省略する変化が多くなります。

黒4手目変化 その2 4.Kd5 Rc7
黒4手目変化 その3 4.Kd5 Ra6
黒4手目変化 その4 4.Kd5 Rc1

を順に見ていきます。


黒4手目変化 その2

4.Kd5 Rc7


R によって Q が攻撃されているため Q を動かす必要があります。

最善手は 5.Qf4 と 5.Qg8 ですが自分の知っているパターンにつなげるのが無難です。

5.Qf8+ Kd7 で 局面3 の白先手になります。これは 局面13 で扱います( 作成予定 )。


黒4手目変化 その3

4.Kd5 Ra6


3rd rank defence で白キングが遮断されてます。対処法を知らないと意外と困る局面です。

5.Kc5 とすると 5...Ra5+? が考えられるので指しづらいかもしれませんが、6.Kb6 で R の動きを強いり、かつ白 K が端に近づくのでダブルアタックがかかりやすくなります。

5.Qf8+ Kd7 は4手長引き
5.Qb7 Rh6 は6手長引きます。

このような手を指しがちなので気をつけましょう。K Q vs K R への対応力が高まってくればこれらの手を考えるとしても 5.Kc5 の適切な手を指せるようになってきます。



5.Kc5


R 側としては 5...Ra5+? としたくなりますが前述のように 6.Kb6 とされると R 側は都合が悪くなります。

R 側の防御を考えるのも大事です。最善手は何でしょうか?

R を動かすことを考えがちですが、5...Kc8 で白 K が R に遮断された状態を保つのが
最善手となります。

最善手ではありませんが 5...Ra3 で白 K の斜めに R を持っていくのも有効な防御法
です。対処法を知らない相手にはこの方が厄介になるでしょう。

5...Kc8
5...Ra3
5...Ra5+?
をそれぞれ見ていきます。


黒5手目変化 その1

5.Kc5 Kc8


6.Kb5? とするのが良さそうですが 6...Rd6! という思わぬ防御手があり、最善手より5手も長引きます!

上図のような局面は 6.Qe7 として黒 K の行動範囲を制限させるのがパターンとなります
( 6.Qh7 が最善手 )。



6.Qe7


最善手 6...Kb8 に対しては 7.Qd7 として再度 黒 K の行動範囲を制限します。
これは 局面8 で扱った局面ですので省略します。

※ ちなみに上図で白先手の場合も 局面8 の中で扱ってます。

上図より
6...Ra8 7.Kb6 で勝利目前
6...Ra5+ 7.Kb6 で勝利目前

最善手 6...Kb8 の次に有効な 6...Ra3 を見ていきます。



6...Ra3


R が白 K の斜めにあるため意外と厄介です。

最善手は 7.Qe6+ ですが分かりやすい 7.Kb4 を見ていきます。



7.Kb4


白 K が 黒 K から遠ざかるので良くないように見えますが、R の動きを強いり、白 K が端に近づくためダブルアタックがかかりやすくなります。

7...Ra6 とされても 8.Kb5 でダブルアタック目前です。

黒としては気づきにくいかもしれませんが最善手は 7...Rd3
強いコンピュータなら指してくる手です。



7...Rd3


こうなると白としては厄介な局面です。Q のチェックに対し Rd8 や Rd7 とすることができ
白 K が 黒 K から遠い位置にあるからです。

8.Kb5? に対しては 8...Rd7 で5手長引き
8.Kc5? では 8...Rd7 や 8...Rd1 で4手長引き
8.Ka5?? にいたっては 8...Rd1! で12手も長引きます

8.Qe6+? も 8...Rd7 で5手長引きます

最善手は 8.Qc5+! になります。



8.Qc5+!


Kb8, Kb7, Kd7 ではダブルアタックがかかるため 8...Kd8 を強いります。



8...Kd8


Kb5 → Kc6 とできそうな感じがしますが実際には 9.Kb5? Rd7 で5手長引きます。

最善手 9.Qf8+ を見ていきます( 9.Qa5+ も最善 )。



9.Qf8+ Kc7


9...Kd7 では 10.Qf5+ でダブルアタックがかかります。

10.Kc4? では 10...Rd1 または 10...Rd6 で9手長引くという人間泣かせの局面です( 笑 ) こういうのが50手ルールでドローにつながります。

相手が人間ならば 10.Kc4? でも何とかなりそうですが強いコンピュータ相手には最善手 10.Qf4+! を指さねばなりません。



10.Qf4+!


10...Rd6?? では 11.Kc5 ですぐ勝敗がつくので黒 K を動かす必要があります。

ダブルアタックがかからないのは
10...Kb6 と 10...Kd8 の2つです、しかし・・・

10...Kb6 11.Qb8+! 次に 12.Qb5+ でダブルアタック
10...Kd8 11.Qh4+! で次にダブルアタック
 

黒5手目変化 その2

5.Kc5 Ra3


少し前の局面に似てますが黒 K と Q の位置が異なります。

今度は Q が b3 を支配しているため、6.Kb6 として白 K を 黒 K に近づけられるとともに
ダブルアタックもかかりやすくなります。



6.Kb6


R が縦に動くとすぐに R を失うことになるので横方向へ動かします。

6...Rd3 7.Rg8+ で次にダブルアタック
6...Rh3 7.Qc7+ Ke8 8.Qc8+ でダブルアタック

最善手は 6...Re3



6...Re3


最善手が分かればあと数手でダブルアタックがかかるのですが、厄介な局面と言えるでしょう。

最善手は 7.Qd5+

この手を指せる場合もあるでしょうが、他にも Q でチェックする手や Q を動かす手があるためミスをしやすいはずです。

上図の局面では 白 K を動かすのは悪く、特に 7.Kb7?? Re7+ でドローになるようなことは絶対に避けましょう。



7.Qd5+ Ke8


7...Kc8 と 7...Ke7 ではダブルアタックがかかるため 7...Ke8 となります。

ここから先はマスターや上級者なら読みきってしまうかもしれませんが、一般的にはミスをしやすいでしょう。

最善手は 8.Qh5+ ( 8.Qc6+ も最善手 )



8.Qh5+


8...Kf8
8...Kd8
8...Ke7
では次にダブルアタックがかかるため 8...Kd7 となります。



8...Kd7


黒 K が端列から離れまだまだ手数がかかりそうですが・・・



9.Qb5+!


候補手に迷ったと思いますがこの手を指せれば勝敗がつきます。

9...Ke6 10.Qe8+! でスキューア

9...Ke6 以外はダブルアタックがかかります。


黒5手目変化 その3

5.Kc5 Ra5+?


6.Kb6 で R の動きを強いり、ダブルアタックもかかりやすくなるため、黒としてはこのような手を指さないように気をつけましょう。



6.Kb6


黒はすぐに R を失いますのでご確認ください。


黒4手目変化 その4

4.Kd5 Rc1


手数はそれほどかからないものの、意外に厄介な局面です。

R からチェックするマスを Q で支配することと、Q の位置を良くすることを考えるのですが

5.Qg8+? Kc7! では4手長引き
5.Qh5? Rc7 では6手長引き
5.Qh5? Kc7 となっても厄介です

最善手は 5.Qf8+ で 5...Kd7 を強いります。



5.Qf8+ Kd7


黒 K が2列目にあるこのような局面では、すぐにダブルアタックはかかりづらいです。



6.Qf5+ Ke8 


Q の位置が良くなったのと、ダブルアタックを避けるため黒は 6...Ke8 を強いられます。

最善手は 7.Qg4 ですが分かりやすい 7.Qh5+ を見ていきます。



7.Qh5+ Kd7


7.Qh5+ は 7...Kd7 を強いる手になります。



8.Qg4+ Ke8 9.Kd6


これで勝利目前となります。


局面9 の4 へ続きます。

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