局面12



opposition タイプ2 は キングが opposition の状態にあるのは一緒ですが
Q の位置が タイプ1 と異なります。

タイプ2 で白先手の場合、 タイプ2 → タイプ1 にするのが良い場合と、そうでない
場合があるので注意しましょう。 黒 K が左右どちらの端列に近いかで対応が
異なるからです。

上局面では 黒 K が a ファイルの方に近いため、 1.Qe8 として a ファイル方向へ
黒 K を追いやっていきます。 タイプ1 となる 1.Qe8 は 局面2 をご覧ください。

続いて、黒先手を見ていきましょう。



タイプ1 で黒先手の場合、黒 K が動けないので R の動きを強いられましたが
タイプ2 で黒先手の場合は R が Q に攻撃されているため R の動きを強いられます。

1...Rb8 2.Qc6+ Kd8 3.Kd6 で勝利目前
1...Rb3 2.Qc6+ Kb8 3.Qe8+ で次手ダブルアタック

1...Rb2 と 1...Rb1 の変化をそれぞれ見ていきます。


1...Rb2 2.Qc6+


2...Kd8 3.Qf6+ でダブルアタック


2...Kb8


あともう少しの感じですが、 白 K より Q の方が 黒 K に近いため意外に厄介です。 3.Qe8+  3.Qd6+  3.Qf6 のどれが良いか? といった所ですが
最善手は 3.Qe4 の気づきにくい waiting move 。

3.Qe8+ は2番目に良いですが、読み切るのは容易ではありません。
3.Qd6+ では最善手より4手長引くのが憎らしいです^^;
最善手より 3手長引いてしまいますが無難な  3.Qf6 を見ていきましょう。


3.Qf6


3.Qe8+ のような読み切れない手を指すより、パターンにつながりそうな 3.Qf6
が良さそうです。
3....Rc2+ には 4.Kb6 で勝利目前
3...Rb7 4.Qd8+ Ka7 5.Kc6 は Philior's Position
3...Rb3 には 4.Qf4+! でダブルアタック間近
黒としては 3...Rb1 が最善手になります。


3...Rb1


4.Qh8+ から 5.Qh7+ ですぐダブルアタックがかかり決着が付きそうですが
4.Qh8+ Ka7 5.Qh7+ Rb7 の変化は容易ではありません。


4.Qh8+ Ka7


ここから 5.Qh7+ Rb7 となるのはその後の局面が厄介な感じです。
手数としては変わらないのですが、ここは 5.Qd4 でディスカバードアタックを狙うのが
が良さそうです。ちなみに最善手は 5.Qc3 です。


5.Qd4


ここで黒の最善手は何かというと、ここまでの記事をすべてご覧になっていれば
すぐ分かると思います。 5...Rb6 でチェックを防ぐ手です。
5...Rb6 の局面は 局面9の6 の記事内で同様の局面を扱いましたのでここでは
省略しますが、 5...Rb6 に対しては 6.Qe3 として ディスカバードアタックの狙いを
残すのがパターンでしたね。

他の変化も意外に厄介です。
5...Rc1+ 6.Kd6+! Ka6 7.Qa4+ Kb7 8.Qb3+ Kc8 9.Qa3
5...Kb8! 6.Kc6 Rc1+ 7.Kb6 Rb1+ 8.Ka6 Kc7 9.Qc4+ Kb8 10.Qd3 など 

続いて 1...Rb1 の変化に移ります。


1...Rb1


2.Qc6+ 以降、 1...Rb2 の変化と似たような対応になります。
2.Qc6+ Kb8 と 2.Qc6+ Kd8 の変化をそれぞれ見ていきます。


2.Qc6+ Kb8


まずは 2.Qc6+ で 黒 K を端列へ追いやっておきます。
3.Qe8+ Ka7 4.Qe3
3.Qe8+ Kc7 4.Qe5+ Kd8 5.Qh8+ で次にダブルアタック などの変化もありますが
パターン的な 3.Qe4 が最善手です。


3.Qe4


ダブルアタックや 4.Kb6 の脅威があるため 3...Rb7 以外はすぐ勝敗がつきます。
3...Rb7 4.Kc6 Ka7 5.Qa4+ Kb8 6.Qa5 はphilidor's position

2.Qc6+ Kd8 の変化に移ります。


2.Qc6+ Kd8


3.Qd5+ からダブルアタックにつながりそうです。
3.Qd5+ Kc7 4.Qe5+ Kd8 5.Qh8+ で次手ダブルアタックなど

これで 局面12 の記事は終わりますが、タイプ2 は タイプ1 より変化が多くなる
感じがします。


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